
はじめに
妊娠がわかってから出産、そして退院後まで――
お母さんの体と心は日々大きく変化し、それに合わせて必要な健診や準備も移り変わっていきます。
この「妊娠・出産タイムライン」では、妊娠初期から出産、産後までの流れを、週数ごとに必要な健診内容や手続き、当院が提供する各種ケアや取り組みとあわせてご案内しています。
ご自身の妊娠週数に合わせて今後の流れを確認し、安心して出産の日を迎えられるようお役立てください。
妊婦さんと赤ちゃんを守るために
敷地内全面禁煙のお願い
たばこの煙には多くの有害物質が含まれており、妊娠中の赤ちゃんにも悪影響を及ぼすことがわかっています。
当院では、妊婦さんと赤ちゃんを受動喫煙から守るため、健康増進法および東京都受動喫煙防止条例に基づき、全面禁煙としています。
- 紙たばこ・電子たばこ・加熱式たばこ・無煙たばこなど、すべての喫煙行為を禁止しています。
- 駐車場を含む敷地内すべてが禁煙です。
- 当院前の歩道での喫煙もご遠慮ください。
ご本人だけでなく、パートナーやご家族の方にも禁煙へのご協力をお願いいたします。

妊娠がわかったら(4~8週)
妊娠の兆候がある場合は、早めにご来院のうえご相談ください。妊娠が確認されると、胎のうや心拍を確認して出産予定日を決定します。妊娠が確定したら、お住まいの自治体で母子健康手帳の交付手続きを進めます。母子健康手帳には妊婦健診の受診票が添付されており、出産予定日が決まった後は健診費用の助成が受けられます。
母子健康手帳情報支援サイトはこちらこの時期は体調が安定しにくいため、健診や検査の流れ、必要書類を事前に把握しておくことが大切です。妊婦健診では、採尿・血圧・体重の測定を行い、体調の変化を確認します。必要に応じて、感染症やホルモンの状態を調べる血液検査や超音波検査を行うこともあります。

外来の担当医はご希望によりご指定いただけます。
出産先をまだ決めていない方は、当院の病棟見学会への参加をおすすめします。
妊娠初期(9~15週)
出産予定日(EDC)が確定すると、本格的に妊婦健診が始まります。この時期からは赤ちゃんの発育状態をしっかり確認していきます。妊婦健診では、母体と胎児の状態を確認するため、血圧・体重測定、尿検査、血液検査、胎児の心拍や発育確認などを行います。あわせて、妊娠中に必要な予防接種や健康管理のアドバイスも受けられます。
妊婦健診の週数別スケジュール・費用一覧(PDF)13週以降は、エコー動画配信の無料サービス「エンジェルメモリー」をご利用いただけます。また、診察後に会計を待たずに帰れる「プリペイドシステム」をご希望の方は、総合受付までお申し込みください。

1. 妊婦健診:WEB予約制
① 受付
- ご予約時間の15分前までにご来院ください。
- 産科受付前のタッチパネルでチェックインし、受付票をスタッフに提出してください。
② 提出物
- 母子健康手帳(健診以外の来院時も持参)
- 妊婦健診受診票
- マイナ保険証または健康保険証(毎月初め)
③ 健診当日の流れ
- 診察前に採尿・血圧・体重の測定を行います。各測定場所にご案内がありますので、表示に従ってご対応ください。
- 週数によって内容は異なりますが、主に尿検査、血圧、体重測定、むくみのチェックをし、超音波で赤ちゃんの発育を確認します。
- 診察後はスタッフが会計場所(産科待合室または総合受付前)をご案内します。
2. エコー動画配信サービス
① エンジェルメモリー(無料)
妊婦健診時に撮影されたエコー動画を、専用カードを使ってスマートフォンやパソコンで無料視聴・保存できるサービスです。
※専用カードを忘れると録画できませんのでご注意ください。
② 3D/4Dエコー(有料・予約制)
赤ちゃんの立体的な表情や動きを記録できる有料サービスです。撮影タイミングを調整し、静止画付きでご提供します。
※事前予約が必要です。

3. プリペイドのご案内
診察後、会計なしでそのまま帰れます。事前にチャージしておけば、毎回の会計が不要です。クレジットカードやPayPayでチャージ可能で、出産費用にも充当できます。
妊娠中期(16~27 週)
妊娠中期は、赤ちゃんの発育が著しく進む時期です。健診では、超音波による胎児スクリーニング検査(形態異常の確認)のほか、子宮の大きさ、羊水量、胎盤の位置などを確認します。また、貧血や血糖値を調べる血液検査、心電図検査などで母体の健康状態も詳しくチェックします。必要に応じて、体重管理や栄養、日常生活に関するアドバイスも行います。
この時期は、妊婦健診に加えて分娩予約、出産オリエンテーション、母親学級など出産準備を進める時期です。分娩予約は混み合うこともあるため、早めの手続きがお勧めです。母親学級パート1(栄養)・パート2(母乳育児・体操)への参加もご検討ください(任意)。

1. 出生前検査(クアトロテスト・羊水検査)[希望者対象]
クアトロテストと羊水検査は、ご希望の方にご案内する任意の検査です。
ご本人やご家族のご意向をふまえ、妊婦健診時に医師へご相談ください。
クアトロテスト |
ダウン症候群、18トリソミー、開放性神経管奇形の可能性を調べるスクリーニング検査です。母体からの採血で行う非侵襲的な検査で、胎児や母体にリスクはありません。診断を確定する検査ではないため、結果が陽性だった場合は、確定診断として羊水検査をおすすめします。 |
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羊水検査 |
胎児の細胞を含む羊水を採取し、染色体異常の有無を調べる確定的な検査です。ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーなどを99%以上の精度で診断可能です。 |
2. 分娩予約と出産オリエンテーションのご案内
分娩予約(~34週6日まで)
分娩予約は、予約金10万円の支払いと出産オリエンテーションの受講で完了します。混雑時は締切となることがあるため、早めの手続きをおすすめします。
※直接支払制度を利用する場合、予約金は出産費用に充当されます。
※分娩予約に関する書類は妊娠32週までにご提出ください。
各種特典について
退院時の会計で利用できる割引特典があります。リピーターや提携クリニック・ご家族・ご友人からの紹介で優待券を進呈しています。

出産オリエンテーション(20週6日までに受講)
出産の流れ、立ち会い、予約書類、産科医療補償制度の登録などをご案内します。
パートナーまたは実母いずれか1名、同伴可能(お子様は同席不可 / キッズルーム予約制)。
※マイナ保険証または健康保険証をお持ちください。
当院での里帰り出産・当院への転院をご検討の方へ[対象者限定]
当院では、他院からの転院や里帰り出産を希望される方の受け入れを行っています。経過が順調な場合は、妊娠34週頃を目安に、余裕を持って手続きください。ご希望の方は助産師外来にてバースプランの相談も承ります。
- ① 分娩予約期限:妊娠34週6日まで
- ② 出産オリエンテーション受講:妊娠30週まで(必須)
- ③ 転院時の必要書類:紹介状・母子手帳・妊婦健診受診票・検査データ等
- ④ 診察券の発行・WEB予約が必要です
- ⑤ ハイリスク妊娠の方(骨盤位、妊娠高血圧症候群、糖尿病、前回帝王切開など)の方は、28週より前の相談をおすすめします
3. 母親学級(週数ごとの目安:20~35週)
パート1(20~23週) |
【栄養指導】 妊娠中に必要な栄養バランスや食生活の工夫を学びます。 |
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パート2(24~31週) |
【母乳育児・体操】
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パート3(32~35週) |
【分娩準備】
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妊娠後期(28~36週)
この時期は、分娩に向けた最終準備を進める重要なステージです。赤ちゃんの発育確認や各種検査に加え、無痛分娩の申出(30週まで)、里帰り出産・転院の手続きなどが重なります。書類の提出期限(32週まで)にもご注意ください。
妊娠後期(28~36週)には、最終的な発育確認のためのスクリーニング検査、腟分泌物検査、再度の血液検査などを実施します。これらは分娩前の体調管理において重要な検査です。

1. 無痛分娩の希望申出(30週頃まで)
当院は東京都の無痛分娩費用助成制度の対象医療機関です。希望される方は、計画的にご相談ください。分娩方法や実施時期は、医師と相談して決定します。
費用:108,000円(税込)
※東京都在住の方には最大10万円の助成があります。
2. 里帰り出産・転院の方へ
分娩予約は妊娠34週6日までにお済ませください。ハイリスクの方(骨盤位、妊娠高血圧症候群、糖尿病、前回帝王切開など)は28週頃を目安にご相談ください。
【初診時の持ち物】
- 紹介状
- 母子手帳
- 妊婦健診受診票
- 検査データなど
【その他手続き】
- 出産オリエンテーション:30週までに受講
- 診察券の発行(WEB予約可)
- 書類提出:32週までに(入院承諾書・バースプラン・産科医療補償制度登録書など)
妊娠後期の健診・準備と出産の流れ(37週以降)
妊娠37週からは「正産期」に入り、いつお産が始まってもおかしくない時期です。赤ちゃんとご自身の体調管理のため、妊婦健診を継続しつつ、入院・出産の準備を整えておきましょう。体調に異変や不安を感じたら、迷わずご連絡ください。
1. 妊婦健診とNST(ノンストレステスト)
妊娠37週および40週以降には、赤ちゃんの心拍や胎動を確認するNST検査を行います。専用ベルト(費用:1,000円)が必要で、初回にお渡しします。以降は毎回ご持参ください。紛失・忘れた場合は再購入が必要です。NSTは妊婦健診と同時に実施します。WEB予約の際は「妊婦健診」と「NST」の両方を選択してください。

2. 出産の兆候とご連絡について
陣痛・破水時は下記番号へご本人様がご連絡ください。
24 時間対応 : 042-472-6121
お電話では「名前・診察券番号・初産か経産か」を伺います。
【ご連絡の目安】
- 規則的な陣痛
- 破水(透明な液体が流れる)
- 出血(おしるし)
- 胎動の著しい減少 など

3. 出産の流れ
お産開始から出産まで
陣痛が始まったら病院へ連絡し、指示に従って入院してください。入院後はLDR(または状態に応じて一般病室)へご案内します。帝王切開の場合は手術室で対応し、術後から回復までは2階病室でお過ごしいただきます。
LDR(Labor Delivery Recovery)について
LDRは、陣痛から出産、回復までを同じ個室で過ごせる分娩室です。出産後2時間までLDRで経過観察を行い、問題がなければ3階病室へ移動します。室内ではお好きなジャンルのBGMでリラックスできます。お気軽にスタッフへお申し付けください。
立ち会い分娩(希望者)
パートナーまたは実母のいずれか1名が立ち会えます。希望される方は妊娠32週までに提出するバースプラン(出産オリエンテーションで配布)に記入してください。
【当日の注意事項】
- 入館時に体調確認を実施します。
- 不織布マスクを着用してください。
【撮影に関しまして】
- スタッフの指示に従ってください。
- 他の患者様、赤ちゃん、スタッフの無断撮影は禁止です。
- LDR前の廊下での撮影は禁止です。
- スタッフの写真・動画をSNS等に無断投稿することは禁止です。

出産入院~退院のご案内
1. 出産プラン
当院では、快適さやご家族との過ごし方に応じて選べる3つの出産プランをご用意しています(正常分娩・6日間入院のモデルケース)。
プラン | 総額(目安) | 退院時支払額 | 主な特徴 |
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エグゼクティブ | 約72万円 | 約12万円 |
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スタンダード | 約63万円 | 約3万円 |
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エコノミー | 約61万円 | 約1万円 |
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※「総額」は分娩料・補償制度掛金等を含む目安金額です。帝王切開や追加処置等により変動します。
※退院時支払額は、出産育児一時金(50万円)および分娩予約金(10万円)を差し引いた金額です。
2. 退院の流れについて
① 会計について
- 退院日前日:コンシェルジュが概算書を病室にお届けします。診療明細書は会計時にお渡しします。
- 退院日(平日の場合):午前9:00~10:30の間に、担当者が病室に伺い、会計を行います。
- 退院日(日曜・祝日の場合):午前9:30~10:30の間に、患者様ご自身で1階の退院会計窓口にて精算をお願いします。
② 退院時刻(病室の退出)
-
午前11時までに病室をご退出ください。
※エグゼクティブルームご利用の方は、午前11時または午後2時のいずれかをお選びいただけます。
③ 出生届、母子手帳のお渡し
- 出生届は、出産日当日にLDRでお渡しします。
- 母子手帳は退院日に担当者が病室へお届けします。

退院後のサポート
出産後も、お母さんと赤ちゃんが安心して新たな生活を始められるよう、当院ではさまざまなサポートをご用意しています。産後ケアサービスをはじめ、2週間健診・1ヶ月健診、母乳育児に関する外来(母乳外来・桶谷式母乳相談)など、心身の回復と育児のスタートを助産師や医師が継続して支えます。

1. 2週間健診
退院後約2週間で行う健診です。赤ちゃんの体重や母乳育児の様子を確認し、必要に応じて母乳相談にご案内します。
費用:1,500円(再診1,000円)
2. 1ヶ月健診
出産後28~34日目を目安に行う健診で、赤ちゃんとお母さんの健康状態を医師が診察します。退院時に予約のご案内をいたします。
3. 母乳外来
授乳に関するトラブル(吸いつきが悪い、乳腺炎の兆候など)について、助産師がアドバイスとケアを行います。所要時間は約30分。WEBまたは電話でご予約ください。
4. 桶谷式母乳相談
桶谷式認定助産師が対応する専門外で、母乳マッサージと育児指導を行います。授乳の悩みやおっぱいのケアに特化した支援が受けられます。

産後ケア(要予約・東久留米市助成あり)
出産後の心身の回復や授乳・育児への不安をサポートする、宿泊または日帰り型のケアサービスです。助産師や看護師によるサポートのもと、安心して育児を始められます。
- 対象:生後0ヶ月から生後3ヶ月未満のお母様と赤ちゃん
サービス内容
- デイサービス(1日型):10:00~16:00 / 昼食・おやつ付き
- ショートステイ(宿泊型):1泊または2泊 / 全食事・おやつ付き
※東久留米市にお住まいの方は市の助成制度が利用できます(要申請)。
