不妊の治療には多くの治療法があります。さまざまな状況を考慮し、ご本人にとって最善の治療を行っています。子どもに恵まれないとお悩みの方は、どのような相談でも承りますので、是非お気軽にご来院ください。

不妊治療は、外来での問診~内診~基礎体温の測定~精液検査などを実施した後に、性交のタイミング指導、排卵誘発法、人工授精など段階を踏んで行います。一般不妊治療を進めても妊娠に至らない場合は、ウイメンズ・クリニック大泉学園にて高度生殖医療(体外受精・顕微授精)のステップに進むこともできます。

1. 不妊治療担当医


武谷 雄二


松岡 良


堀川 道晴


吉田 悠人

2. スクリーニング検査

不妊の治療に入る前に原因をさぐるための検査や、治療に必要な検査を行います。他院での検査結果は、参考にしますので持参してください。

スクリーニング検査の詳細 

3. 治療の流れ

検査に問題がない場合は、タイミング療法へと進みます。検査で問題が判明した場合は、必要に応じて治療を行うか人工授精または体外受精へのステップアップをおすすめします。

(1) タイミング療法

排卵時期に性交渉を行い、妊娠を計る治療法です。排卵時期は、基礎体温測定、超音波検査、ホルモン採血検査によって予測します。排卵障害がある場合には、必要に応じて排卵誘発剤を使用します。性交後にフーナーテスト(性交後検査)を行うことが可能です。タイミング療法を数回試みても妊娠が成立しない場合は、人工授精へのステップアップをおすすめします。

(2) 人工授精

人工授精は、子宮内に人工的に精子を注入する方法です。1回の妊娠率は5~10%で、妊娠された方20%は3回までに、約90%は5回までに妊娠に至ると報告されています。そのため、施行の目安は3~5回と考えられます。5~6回の人工授精で妊娠に至らない場合には、腹腔鏡などによるさらなる原因検索や体外授精のような、より高度な治療が必要と考えられます。

① 排卵時期を調べる方法

人工授精を行う場合、排卵後の卵子の状態が良いタイミングで施術する必要があります。以下の方法で排卵時期を予測し、適切なタイミングで人工授精を行います。

a. 基礎体温測定
過去の排卵日から排卵の予測を行います。ただし、月経不順の方には適用しづらいです。

b. 月経周期の14日目を目安にする方法
通常、月経周期の14日目に排卵が起こりますが、個人差や周期によって異なるため、必ずしも正確ではありません。

c. 超音波検査
卵胞の大きさから排卵日を予測します。直径15~25mm(自然周期)または23mm以上(排卵誘発周期)になったら人工授精を行います。

d. 血液検査・頸管粘液検査
血液中のエストロゲン濃度や頸管粘液の性状から排卵日を予測します。

e. 尿検査(試験紙)
脳下垂体から分泌されるホルモン(LH:黄体化ホルモン)を測定して、排卵日を予測します。黄体化ホルモンがパルス状に出る時期(LHサージ)が始まってから、24~36時間後に排卵が起こるといわれています。

尿検査(試験紙)は、月経周期の12日目頃から毎日行い、陽性反応が出たらLHサージが始まったと判断して、当日~翌日に人工授精を行います。ただし、LHの基準値が高い方はこの方法を使えないため注意が必要です。

② 排卵誘発について

人工授精は、より確実に排卵が起こるように、卵胞が十分な大きさに発育したら、必要に応じてhCGの注射やGnRHアナローグの点鼻を行い、人工的にLHサージを作ります。LHサージの翌日に人工授精を行います。排卵が自然に起こりにくい方(排卵障害)や排卵周期が不規則な方は、排卵誘発剤の内服や注射を行い、卵巣を刺激する必要があります。 排卵誘発周期でも同様に、排卵の時期を調べ、必要に応じてhCGの注射やGnRHアナローグの点鼻を行って人工授精を行います。

③ 当日の流れ

a. 採精は当日に行います。自宅で採精して、持参してください。
b. 精子は洗浄遠心処理を行います。処理には約1時間を要します。人工授精は処理した精子を注射器に回収し、細いカテーテルチューブを通して子宮内に慎重に注入します。
c. 人工授精の当日は激しい運動をしない限り、普通の生活を送ることができます。
d. 出血以外の副作用は殆どありませんが、稀に感染を起こす場合があります。予防のために2日間は抗生物質を内服します。発熱、腹痛、異常な帯下などの症状が現れた場合は、受診してください。

4. 費用

費用は、検査回数や目的によって保険適応にならない場合があります。保険点数、薬価改正により料金を変更することがあります。
※ 下記に再診料、薬剤費などが別途かかります
※ 検査は治療を進めて行く上で、必要に応じて行います

保険適用(3割負担)の自己負担額
初診料880
超音波検査1,590
甲状腺検査1,570
子宮頸がん検査1,090
淋菌およびクラミジア・トラコマチス
同時核酸検出
1,360
子宮卵管造影検査6,130
アンチミューラリアンホルモン(AMH)2,340
月経中ホルモン採血2,080
高温期採血1,920
精液検査1,190
一般不妊治療管理料(3ヶ月に1回)750
人工授精5,460

自費診療
抗精子抗体検査(不動化法)6,050
単位:円

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