当院は2004年より民間バンク(株式会社ステムセル研究所)のさい帯血保管事業に協力しています――さい帯血の採取・保管をご希望の患者様にはステムセル研究所と契約して頂き、ご出産の際に当院スタッフがさい帯血を採取し、ステムセル研究所が長期保管します。さい帯血が取れるのは出産の時だけです。産まれてくるお子様の将来のためにご検討なさってはいかがでしょうか。以下にさい帯血とその採取・保管についてご説明します。
さい帯(へその緒)と胎盤に含まれている貴重な血液のことです。さい帯血には、血液を作ったり、神経や骨、筋肉などの細胞になったり、障害が起きている場所の炎症を鎮めたりする幹細胞が豊富に含まれています。出産時にさい帯血を保存しておけば、お子様が、万が一、十分な治療法のない病気に罹った際の治療に役立てられる可能性があります。
さい帯血を利用する機会は、脳障害に対する治療研究を中心に近年増え続けています。中枢神経系疾患(低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺、難聴、脊髄損傷等)に加え、自己免疫疾患、ASD(自閉症スペクトラム障害)に対する再生医療・細胞治療での利用可能性が注目されています。さい帯血は赤ちゃん自身の細胞ですので、将来ご自身に使用した際は拒絶反応がなく安全です。そのため新たな治療研究が検討され易く、さい帯血の保管意義はますます高まってきています。
さい帯血は出産後わずか数分の間しか採取できません。へその緒が切られた後に採取するので、お母さんや赤ちゃん共に痛みや危険を伴うことはありません。
さい帯血を採取・保管するためには、あらかじめ患者様とステムセル研究所との間で保管契約が結ばれている必要があります。同研究所との契約を済ませた患者様のさい帯血は、出産の際、当院医療スタッフが採取し同研究所で長期保管されます。出産前のなるべく早い時期(出産日の一ヶ月前ぐらいまで)に契約を済ませ、採取キットの準備と当院への依頼書の提出をお願いします(やむを得ない事情で申込みが遅れた方は、ステムセル研究所とご相談の上、出産前までに手続きを済ませて下さい)。お問い合わせ・申し込みはステムセル研究所にお願いします(TEL:0120-346-257)。外来にパンフレットが置いてありますのでご覧ください。
株式会社ステムセル研究所:同社は民間さい帯血バンクの国内シェア99.9%を保有し、20年を超える保管実績を有しています。無借金経営を続け財務面は極めて安定しており、2021年の6月には東京証券取引所マザーズ市場に上場しています。(→ステムセル研究所webサイト)